戦後、わが国は世界に類をみない急速な経済成長を遂げた半面、社会開発面での立ち遅れにより、資源、エネルギー、環境、労働力など多くの問題が表面化しております。他方、わが国の社会も価値観が多様化し、社会、経済諸事象はかってないほどに複雑化し、また変化の速度が増大してまいっております。
このような背景にあって、社会、経済の諸事象を解明するには、従来のような既存の縦割り的な思考で個別に取り組むだけでは不十分であり、広い視野にたって科学的、総合的に取り組み、各自の方向を探求することが不可欠になっております。
この時局に鑑み、このたび我々高分子学会維持会員の有志のものが、科学、技術と経済とを包含した観点から国際的な視野に立って、秩序と調和と人類の進歩を考える場の必要性を痛感し、ここに高分子同友会の設立を真剣に考えた次第であります。
同士相寄り、生きた情報の交換、収集を行なうとともに、専門を異にした問題に対しても積極的に取り組み、討論し、研究して、社会のために提案と活動を行ないたいと考えております。また同士的融合を強固にして、会員が相互に啓発しあい、心豊かに親交を温める会として運営して行きたいと存じます。
昭和49年4月26日